(公財)日本消防協会「消防応援団」ならびに(一財)日本AED財団「AED大使」の蝶野さんが10月1日、日本消防会館第2会議室で、芝消防署・芝消防団協力のもと、プロレス8団体のレフェリー12名と普通救命講習を受講しました。
10月5日にプロレス35周年を迎える蝶野さんは、(一社)NWHスポーツ救命協会の代表理事を務め、地域防災・救急救命の啓発活動に取り組んでいますが、過去にない規模での天災被害などにより防災意識が高まってきている今、心肺蘇生法やAED操作方法をはじめとした救命救急に関する知識と技能を学ぶ普通救命講習の講習率を高めていきたい意向です。
そこで蝶野さんは、プロレス35周年を機に、NWHスポーツ救命協会として定期的に普通救命講習を開催していく予定で、第1回目の今回は「すでに救命救急に取り組んでいる団体もありますが、プロレス界として改めて、試合を裁きながら選手の安全を守るレフェリーが取り組んでいることをアピールしたい」と言及。
そして今回、全日本プロレス・和田京平さん、プロレスリング・ノア=中山真一さん&西永秀一さん、みちのくプロレス=田原博士さん&チョリソさん、大日本プロレス=中谷諒平さん、DDTプロレスリング=松井幸則さん&木曽大介さん&岡田裕也さん、DRAGON GATE=八木隆行さん、プロレスリングゼロワン=笹崎勝己さん、WRESTLE-1=神林大介さんが普通救命講習を受講。さらに全日本プロレスからはリングアナの木原文人さんも参加してくれました。
地域における消防防災のリーダーとして、平常時・非常時を問わずその地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担う消防団は、応急手当の普及指導などにおいても活躍しており、今回の普通救命講習では、普及員の資格を持つ芝消防団の方々が指導員を務めてくれました。
「京平さんも『勉強になった』と言われていた。定期的に確認をする意味でもやった方がいいかな。レフェリーだけが集まるということはなかなかない。レフェリーはリング上で選手を管理しているという意識を持っているので、こういう機会で救命の意識を持ってもらえれば」(蝶野)
これまでプロレス・アパレル事業・芸能活動を行ってきた蝶野さんですが、現在プロレスは休業状態で、普通救命講習後には「35周年を機にプロレスという枠ではプレイヤーでなくイベント事業を進めていきたい」と発言。イベント事業については、具体的にこうコメントしました。
「自分は防災、救命の啓発活動を行っているNWHスポーツ救命協会の代表理事も務めています。NWHはプロ選手が現役をリタイヤして、いち市民になってからの活動をどう見せていくべきかがコンセプト。現役のときは地方巡業先で施設への訪問、慰問を行ってきたけど、団体を外れるとどうすればいいか、各選手悩みどころ。自分としては消防への協力を中心にしたNWHの社会貢献イベントにOB選手を連れていければと。今年からそうした企画を立てていきたい」
今後に計画をする第2回以降の普通救命講習では「スポーツに限らず、違うジャンルにも声をかけていきたい。芸能界にも協力をお願いしたい」という蝶野さんは、35年を機に芸能事務所ケイダッシュの関連会社「ケイパーク」と業務提携を結んだことを発表。「個人でやってきて、そこから先に伝えたくても伝わらなかった。タッグを組んで輪を広げたい」と社会貢献活動の幅を広げていきたい意向です。
プロレスラーとしての活躍の場は、リングから社会貢献に舞台を移すものの、「50歳の男ができることを形で見せられれば。リングから離れてますけど背中にプロレスの看板は背負ったまま走っていければ」とプロレスラーの矜持を持ち続け、新たな挑戦に取り組んでいきます。